個性的な街、長崎
『全国どこも同じ街だ…』2017年にバイクで日本を一周しましたが、これがそのときの発見であると同時に落胆でもありました。
駅前の繁華街、幹線道沿いの飲食店…写真だけでは判別できないくらい日本の都市部は似通っているのです。
だけど、長崎はちょっと違うと思うんですよ。南国らしさというか、どこかエキゾチックな感じさえする。
これは九州の最西端に位置するからなのか、それとも江戸時代から国際都市として外国と接していたからなのかは分かりません。
理由はどうであれ、僕は個性的な長崎という街が大好きです。
そんな長崎を語るうえで欠かせないのが華僑の存在。
長崎では鎖国中の江戸時代から多くの中国人が居所を構えていたそうです。今も長崎新地中華街には多くの中華料理店が立ち並び、旧正月になるとランタンフェスティバルが盛大に催されます。
今回はちょっと足を伸ばして2月の長崎にひとっ飛び。異国情緒あふれる旧正月を堪能してきました。
長崎は春だった
2月14日(木)、世間が「バレンタインデー」と浮かれていた日、僕も例外ではありませんでした。『お嫁ちゃんからチョコレートもらえるかな?』なんてドキドキしていましたが何もありませんでした。
なんだか余計に空気が冷たい気がしましたが、仙台から大阪伊丹空港経由で長崎まで空の旅です。
高度2万3千フィートからの眺めなんて滅多に見られないので、恥ずかしさは放り捨てて写真を撮りまくります。
長崎空港に降り立つと、モワッと湿った空気に包まれていました。汗が噴き出す前に慌ててウインドブレーカーを脱ぎます。
そして『むむ!?鼻の奥がムズムズするぞ…??もしや、もう花粉が飛んでいる!?』と気付いたときにはすでに遅し。何の対策もしない無防備な状態で花粉戦線の真っ只中に突撃してしまったのでした。
雨に濡れて…
せっかく飛行機を乗り継いでやってきた長崎でも雨神様に歓迎されました。
でも、こんなときこそシャッターチャンス。言うまでもなくランタンが映えるのは日没後ですが、地面が雨に濡れると灯りを反射しそうだなぁ〜ということで、カメラと傘を持っておでかけです。
新地中華街に着くと、中国語の看板、きらめくランタン、ビニール傘…と、まるで映画「ブレードランナー」のような光景が広がっていました。
入り口を覗きこむと素敵な感じだったので、頑張って背伸びをしながら240mmの望遠端でシャッターを切りました。
街ゆく人が適度に流れるかな?とシャッタースピードを1/30に設定しましたが、思ったほど流れませんでしたね。混雑していたので、みんなゆっくり歩いていたようです。
また、孔子廟は石畳なので綺麗にランタンが写り込んでいました。地面ギリギリにカメラを構え、ローアングルから狙います。
ちょっと24mmだと物足りなかったですけどね。あ〜、広角レンズが欲しいなぁ〜
もちろん、雨が降っていない別の日も夜はカメラを持って街に繰り出しましたよ。
浜町アーケードや中華街のランタンは紅色なのですが、眼鏡橋のかかる中島川周辺では黄色のランタンがかかっていました。
中華文化の奥深さを堪能
ずらりと吊り下げられたランタンや綺麗な張り子も美しいのですが、点在するステージでの企画もおもしろかったです。
ある日、浜町アーケードを歩いていたら、たまたま雑技団ショーに遭遇。
この写真は見ての通り金属の筒を4つ並べた上に板を置いて飛び乗ったところ。物理的には可能なんでしょうけど、板の上に立った状態が頭の中でシミュレートできません。
また、中でも人気だったのは孔子廟で開かれた変面ショー。
四川省を中心とした地域の伝統舞踊なのですが、被っているお面が一瞬で変化するのは摩訶不思議。その変面の仕組みは中国の第一級国家秘密にも指定される一子相伝の秘技なんだとか…
日本から近いはずなのに完全に異文化。その奥深さに中国4000年の歴史の重みを感じます。
このほかに皇帝パレードや龍踊り、獅子舞、二胡演奏…などイベント盛りだくさん。特に催し物が多い週末に街歩きをしていれば、何かしらに出会えるお祭り騒ぎでした。
滞在最終日、長崎水辺の森公園で船を眺めに行くと、ちょうど中国の天津からやってきたクルーズ船が寄港していました。
こんな風景を見ると次は4月に開催される帆船まつりに行ってみたくなりますね。世界各国から大型帆船が一堂に会するイベントは日本では希少なイベントですから。
あ、秋のおくんちもいいなぁ。いや、尾曲がり猫を追いかける“にゃがさき猫歩き”でも楽しそうだぞ…
まだまだ長崎の魅力をすべて発掘しきれていない気がしますね。
ではでは…
おまけ:長崎のおみやげ
長崎のお土産といったらカステラで決まり。
底にザラメ糖が残っていて、しっとりとしたスポンジとは対照的なザクザクとした食感がよいアクセントになっています。
本当に美味しいんです。リッチなティータイムのお供に最適なんですよ。