大将がゆく

写真を撮ったり、イラストを描いたり……日本一周の旅をした主夫の日記帳

100円でデジカメが買えました — EPSON CP700-Z

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また買っちゃった

まーた買っちゃいました。

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状態良好。レンズカバーも付属していました

だってジャンク品ワゴンの中で100円だったんだもん。

もう駄菓子ですよ。駄菓子なんて口に入れたら一瞬で消えるじゃないですか。

だからカロリーゼロ。

カロリーゼロってことは、実質的にこのカメラはタダです(錯乱)。

ということで、EPSON CP700-Zが仲間に加わりました。

「え?エプソンてプリンターの??」

そうなんです。エプソンはレンジファインダー式のデジカメなんて尖った製品を出していたみたいですよ。

しかし、携帯電話の高性能化などの波に押されて、2004年にカメラ事業から撤退してます。

ちょっとお散歩

お出掛けしたのは梅雨明けの気配がムンムンする蒸し暑い昼下がり。

21年ぶりに息を吹き返したデジカメ CP700-Zとお散歩です。

定禅寺通りもすっかり深い緑に包まれました。

まずは勾当台公園のあたりで1枚。

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高精細モードで撮影

いいですね。CCDらしい、どこか懐かしさを感じる発色です。

目的地は定禅寺通りの端っこに鎮座する蒸気機関車「C601」。

存在は知っていたんですけど、なかなか行く機会がありませんでした。

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近くで見ると迫力がありますね

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このフラッシュの感じが味わい深いです

運転席の中に入ると、さすがに光量が足らないのでフラッシュを使いました。

なんだか、こうして室内でフラッシュを焚くと、急に90年代に戻ったような感覚になりますね

このカメラを通じて古い空間を垣間見てるんじゃないか?という錯覚に陥ります。

そして、8月は東北の祭りの季節。

撮影日は7月下旬でしたが、すでに仙台駅構内には大きな七夕の飾りが吊るされていました。

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大きな七夕飾り

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コンコースを抜ける風にたなびいてました

天気だけでなく街の雰囲気がガラリと変わって四季が感じられるのって、とても素敵なことだと思います。

春は青葉まつり、夏は七夕、秋はジャズフェスティバル、冬はページェント……

杜の都、仙台は季節ごとに装いを変えて、いつもフレッシュな気分にさせてくれます。

本体チェック!

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非常に綺麗な外観でした

EPSON CP700-Zが発売されたのは1998年。

もう21年前ですよ。信じらんねぇですね。

2月には長野オリンピックで日本選手団がメダルラッシュ。8月にはサッカーワールドカップ フランス大会に日本が初出場……

そんなスポーツイベントが盛りだくさんだった年でした。

撮影性能

電源を入れるとせり出してくる鏡筒はフルサイズ換算で焦点距離34~102mm相当。F値は2.8~4.7だそうです。

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「f=5.2-15.6mm」の f は focal length という意味でしょうか?

CCDセンサーは130万画素……ですが、有効画素数は124万

常用の範囲内だと1280 × 960ピクセルが最高画質(★★★、高精細モード)です。

しかし、HYPERモード(★★★H)にすると1600 × 1200ピクセル、192万画素で撮影できます。

でも、このHYPERモードで撮影すると記録するのに10秒ほど時間がかかりました。

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高精細モード(★★★)で撮影

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HYPERモード(★★★H)で撮影

HYPERモードの方が色の階調がより細やかに表現されていると思います。

でも、メモリの容量を食いますし、記録に10秒近くも待たされるので「気合いの1枚」になること間違いなしです。

さてさて、このピクセル数ですが、このデジカメと同じ1998年にデビューしたAppleのiMac G3は1024 x 768ピクセルでした。

ja.wikipedia.org

当時はじゅうぶん高画質なものだったと思われます。

前面

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鏡筒はバネが入っていて、カバーを外し忘れていてもポン!と出てきます

控えめなサイズのレンズです。

電源をオンにすると銅鏡がせり出してきます。

背面

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特にズームレバーが操作感が悪いです

ボタンが意外とありますね。どれも押しにくいですけど。

Functionボタンはどの画面で押しても何も起こりません。

経年劣化で死んでるのか、もともと意味のないボタンだったのかは不明です。

背面液晶の内部に白いカビが生じているものの、表示には全く問題ない状態でした。

そしてCP700-Zの背面液晶には屋外モードがあります

液晶横のツマミを太陽のマーク側に操作すると……

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シャッター、開放ッ!

こうして日光を取り込めば、バックライトを消しても液晶表示を確認できるというアイディアです。

しかし、真昼の直射日光くらいの明るさが必要で、日陰に入るだけで暗くなって見えません。

本体を縦に構えたら採光量が足らずに見えなくなります。

1998年当時は電源のやりくりが相当シビアだったと思われ、可能な限り消費電力を抑えようとする工夫のひとつとして採光窓が搭載されたようです。

天面

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情報表示窓はあると大変うれしいです

中央には画面があり、撮影可能枚数や撮影モードを表示しています。

星の数で画質モードを表すのは、直感的でなかなか分かりやすいですね。

また、撮影モードダイヤルにはOFFの位置に誤操作防止用のロック機構が付いてます。

カバンの中で知らぬ間に電源が入ってしまうトラブルを未然に防げそうです。

また左肩には英語で何かが書いてありますね。

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文字ちっさ!

  • デジタルスチルカメラ
  • オートフォーカス
  • 3倍光学ズーム
  • 1280 × 960ピクセル

——と売り文句が並んでいますね。

底面

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単4電池を4本も入れると重量をしっかり感じます

電源は単3電池を4本使用。

記録媒体はCFカード type I。

CFカードは大容量のものを挿入するとフォーマットが終わりません。

今回は64MBのものを用意して動作しました。

どうやら4MBの内蔵メモリも搭載してるようですが、こちらには記録できず。

ラベルには「MADE IN KOREA」の表記が。へぇ、韓国で製造してたんですねぇ〜。

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今では珍しい韓国出身のガジェットです

メニュー

正直、メニュー画面は使い勝手が悪いものでした。

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工作機械の操作メニューみたいです

カードのフォーマットなどの基礎的な本体設定の画面を呼び出すのに一苦労です。

VIEWモードにしてMenuボタンを押すと本体設定が出てきました。

不思議なもんですねぇ。

20年越しの決闘!?

いつもはジャンク品で手に入れたデジカメとiPhone7で比較してますが、今回の対戦相手は……

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どう考えても横綱相撲

CP700-Zが発売されたの20年後の2018年にデビューしたSONY α7III。

設定はCP700-Zは高精細モード(124万画素、1280 × 960ピクセル)、α7IIIはJPEG画質エクストラファイン&サイズはL(2420万画素、6000 × 4000ピクセル)にレンズはFE 50mm F1.8を装着しています。

なお、焦点距離が違うので厳密な比較ではないことをご了承ください。

というわけで、七夕飾りを同じようなアングルで撮影してみました。

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CP700-Z(左)v.s. α7III(右)

CP700-Zの有効画素数は高精細モードで124万画素。それに対してα7IIIは2420万画素。

単純に数字を比較しても20倍弱の差があります。

そのため、ピクセル等倍にしてみるとこれだけサイズが違います。

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CP700-Z(左)v.s. α7III(右)
そして、被写体が同じくらいの大きさになるように拡大してみると、これだけ描写力が違っていることがわかります。

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CP700-Z(左)v.s. α7III(右)

特に下部の吹き流し部分の細やかな模様を比較すると、技術の進歩を感じてしまいますね。

20年後、ボクたちはどんなカメラを持っているんだろう?

エプソンのCP700-Zが発売された1998年、写真用フィルムの国内出荷量が約4億8,283万本となり過去最高となりました。

当時は「気軽な写真」といえば “写ルンです” 一択だったと記憶しています。

でも、それ以降はイメージセンサーの高性能化や家庭用パソコンの普及が進み、銀塩写真は急速に衰退の一途を辿ったのはみなさまがご存知の通り。

そして、気軽なスナップ撮影機の主役は写ルンですからコンデジ、ケータイ、スマートフォン……と目まぐるしく移り変わってきました。

それと同時に写真は現像の仕上がりをドキドキしながら待つものから、撮影した数秒後には世界中の友人たちとシェアできる時代になりました(もっともLive配信なら撮影しながら共有できますね)。

イマドキのスマートフォンのカメラでは撮影後に被写界深度を変えたり、自分の頭に猫耳を生やしたり……とできることが格段に増えました。

こんなカメラの使い方があるなんて、20年前には想像もできませんでしたよ。

じゃ、今から20年後の 2029年 2039年にはどんなカメラでボクたちは思い出を記録しているのでしょうか?(計算ミスしちゃった😅)

コンデジみたいに携行性を重視した写真専用機は残っているのでしょうか?

そもそも、まだスマートフォンを使っているのでしょうか?

もしかしたら大脳内にマイクロマシンを埋め込んだ“電脳”を使ってるのかも……?

義体化したあともちゃんとアップデートできるようにお金を貯めとかないとなぁ……。

——こうして未来を想像している時間がなんとも楽しいと感じる今日この頃です。