鳥海山の大自然を堪能するソロキャン旅、2日目の模様です。
初日はコチラからどうぞ!
キャンプ場から撤収!
寒い寒い寒い寒い……
まだ薄ら明るい5時前にテントの中で目が覚めました。
『あ、このままだと死ぬやつ』
人間って、ヤバいときにはちゃんと本能的に覚醒するもんですね。
どうやら山形県遊佐町の明け方の気温は13度ほど。
テントのナイロン製の布2枚だけでは防寒には足りませんでした。
そのくせ、夜中は湿気がテント内にこもってしまって、僕は寝ながらシュラフから出ていたようです。
結局、朝になって凍死の危機を感じて目が覚めました。
でも、シュラフに潜り込んで、二度寝をしたら8時になっていました。
『意外と図太いんだな』と自分の新たな可能性に気付けた朝を迎えました。
ちなみに、初心者キャンパーなのでテントの撤収も小一時間かかりました。
出発!……その前に
キャンプ道具をクルマに積み込んで目的地に出発!
……の前に、昨夜も訪れたキャンプ場の裏手の海水浴場に立ち寄りました。
何をしにきたのか?
こうして……
日本海の海水をゲットだぜ!!
ということです。
いや、どうせ日本海側から太平洋沿岸の宮城県・仙台まで帰るんです。
ただ帰るだけじゃつまらないから、日本海で汲んだ海水を太平洋に注いでやろうと思ったんですよ。
丸池様
えー……第2部のイントロが冗長になっていることをお詫び申し上げます。
出発します。
ということで、朝イチでやってきたのが丸池様。
俗に「青い池」と呼ばれるやつです(北海道・美英や神の子池、青森県の青池など……。意外と全国的にあるのでしょうか?)。
そして、ここも鳥海山の湧水スポットのひとつ。
鳥海山大物忌神社の境内に位置しており、古くから地元の信仰の対象となってきた池だそうです。
そして、このすぐ近くを流れる牛渡川ではサケが遡上してくるとのことで、遡上してきたサケを捕獲し、イクラを採取して孵化させる施設があります。
てか、丸池様を見学するには、この箕輪鮭孵化場の駐車場を利用させてもらうんですよね。
訪れたときには閑散としていて、まだ遡上のシーズンが始まっていないようでした。
玉簾の滝
丸池様を出発して、次に向かったのは玉簾の滝。
でも、その途中で鳥海山を望めるポイントがあったので、思わず路上駐車して写真を撮ってしまいました。
また、走りながら気付いたのですが、この地域の家屋の石垣が非常に立派な岩で組んであるだけでなく、門先に大きな岩を置いている家がたくさんあるのです。
鳥海山が噴火した際に出た大きな溶岩の塊が開墾したときに出土したのでしょうか。
なんだか火山の麓ならではの光景に出会った気がしました。
そんな発見をしつつやってきたのが玉簾の滝です。
大きな杉の木に囲まれた御嶽神社が来訪者を出迎えてくれました。
そして、この拝殿の裏手に回ると玉簾の滝が目の前に迫ります。
落差63メートルの直瀑は迫力満点。
大木に囲まれ、この滝を目の前にすると己のちっぽけさを実感します。
自然の力に圧倒されそうなこの場所が、かつて山岳宗教の修験場であったと知ると納得です。
砂高山海向寺
さて、雄大で時として厳しい表情を見せる庄内の自然。
出羽三山に代表されるように、この地は古くから山岳宗教の修験者の修行の地とされてきました。
その修行の極地でもある、即身仏が2体も安置されている砂高山海向寺を訪れることにしました。
このお寺では忠海上人(1755年入定)と円明海上人(1822年入定)の2体が安置されています。
即仏堂の中は撮影禁止でしたので写真はございません。代わりに境内で暮らすネコちゃんの写真をどうぞ。
心身ともに厳しい修行を経て、自らの肉体を仏としてまでも祈り続けるその姿はとても神秘的でした。
正直、かなりインパクトのあるビジュアルなのですが、とても安らかに座しているように見えるのです。
そして、目の前の2体の即身仏が肉体が死んでもなお、数百年の時を超えて現代に生き続けているようにさえ感じられます。
僕のどこかで生死感が崩れる音が聞こえた気がしました。
日和山公園&下日枝神社
海向寺を参拝するときに利用したのが、隣接する日和山公園の駐車場でした。
この日和山公園は酒田港を見下ろす高台に位置しており、展望デッキからのどかな港湾の風景を見渡すことができます。
園内には江戸時代に海運を担った千石船が1/2スケールで復元されているほか、国内に現存する最古の洋式木造灯台が移築されて保存されています。
また、立派な彫刻が施された拝殿が印象的な下日枝神社もすぐ目の前にあるので、海向寺と一緒に回ることができました。
ワンタンメンの満月
朝からアクティブに観光しまくったら、お腹が減ってきました。
せっかくだから酒田名物を食べよう!と意気込んで足を運んだのがワンタンメンの満月。
土曜日のランチタイムの店内は大盛況で、ひっきりなしにお客さんがやってきました。
そして、みんなが注文するのが看板メニューのワンタンメン。
予想以上に大きな器に盛られたちぢれ麺が優しい醤油ベースのスープによく絡みます。
そして、ワンタンはお箸でつかめないほどトロッと柔らかくてアツアツでした。
一緒についてきた昆布の塩漬けもちょうどいい箸休めになっていい感じ。
きっと寒い冬の日にフーフーしながら食べると格別なんでしょうね!
ちなみに、この満月の支店が仙台市内にもあったようなのですが、惜しくも2019年7月で閉店されてしまったようです。残念。
山居倉庫
今回の旅程で最後に訪れたのが山居倉庫。
これは最上川などを通じて運ばれてきた米穀を貯蔵する倉庫として1893年(明治26年)に建設された14棟の倉庫。
そのうち12棟が現存しているだけでなく、なんと今でも現役の米穀倉庫として利用されています。
そして、レトロな外観の倉庫の横のケヤキ並木がなんとも味わい深い風景を作り出しています。
ここには観光物産館などもあり、お土産を買い込んでから帰路につきました。
帰ろう、太平洋へ
鳥海山の大自然を満喫した1泊2日のソロキャン旅もいよいよ終わりです。
ふたたび高速道路に乗って仙台を目指します。
途中、寒河江SAで山形県名物の芋煮を食べました。
醤油ベースのスープに里芋、牛肉、牛脂、玉こんにゃく、キノコが入っていて滋養満点。
仙台周辺で「芋煮」と呼ばれている料理は豚j……おっと、山形と宮城の内戦を勃発させるところでした。
西日本在住のみなさまには“大阪と広島の「お好み焼き論争」”と言えばわかりやすいでしょうか。
東北地方では山形民と宮城民が芋煮を巡って論争を繰り広げています。
外様の僕は口を謹んでおきます。
……さて、何か忘れていませんか?
そう、日本海の水です!
芋煮論争に思いを馳せながら、仙台港横の荒浜海岸までやってきましたよ。
日本海から太平洋へ……短いけどスケールの大きい旅路だったね。
繋がってはいるけど、本来は交わることのない海水なんだ。
じゃ、執り行わせていただきます……
日本列島に隔てられた2つの海が交わった瞬間であります。
なんか感慨深いですね。
側から見たら、僕はペットボトルから液体を海に注ぎつつ自撮りする不審者ですけど。
海っていいな。
あっ!
うぎゃぁぁぁぁぁっ!
(パンツまで濡れた断末魔)
……太平洋の方が生温かったです(泣)。
クルマに戻ってパンツを履き替えていると、ザーッと本降りの雨が降ってきました。
お天気の運勢もここで尽きたようです。
楽しかったです。
さようなら。