「どこを見てもスカスカの人生だなww」
ケラケラ笑われながらそう言われると、なぜか涙が出てきました。
僕は小さなシアターに座っていて、隣にはもう1人の自分が下品な笑みを浮かべてふんぞり返っています。
スクリーンでは僕自身の半生が映画となって上映中。
もう1人の僕はリモコンを手に持っていて、ことあるごとに映画を一時停止して小馬鹿にしてきます。
まぁ、大学時代編の冒頭、1年生の4月の第2週から講義をサボってた場面ではさすがに自分も笑いましたけど。
あのとき僕は“法学部”という響きに憧れて進学したものの、民法も憲法も刑法もどの法学の講義も意味不明で死ぬほど後悔したんですよね。
でも、だからといって18歳の僕には何もしたいことはありませんでした。
もし12年前に「時間もお金も心配せずに自由にしていいよ」と言われても、同じように語感だけで学部を選んで進学して後悔したはずです。
いや、大学の頃だけではありません。
会社員時代、高校時代、中学時代、幼少期……いつの場面を切り取っても、なんの考えや目的もなく流されてばかりの自分しか映っていませんでした。
それで「人生スカスカだな」の発言に繋がります。
……
…………
今朝はそんな夢を見て目醒めました。
朝ごはんを食べながら妻に話すと
「走馬灯じゃん。まだ見るには早いでしょ」
と言われました。
確かに走馬灯を見るほど生命の危機は感じてないんだけどなぁ。
でも、僕の人生、これまでの30年がスカスカだったのは否めません。
残りの人生はもっと詰め詰めにしたいです。
ではでは。