大将がゆく

写真を撮ったり、イラストを描いたり……日本一周の旅をした主夫の日記帳

85mmという画角

先日、手に入れて実戦投入を開始したSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artなんですけどヤバいっす。

人物を被写体としたポートレート的な撮影でいい結果を残せそうです。お仕事の写真なんでブログには載せないんですけど、一応、世の中には出回るのでどこかでお目にかかるかもしれませんね。

www.taishogoes.com

で、今日はそんな85mmという画角がだんだんとつかめてきたので、備忘録的なことを書いておきます。

撮像範囲を把握したい

レンズの操作や傾向を知るために日帰り旅行にSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artを持ち出してみました。

しかし風景や街の様子を収めたい旅行やお出かけ時では活躍の機会が限られるというのが率直な第一印象となりました。

横構図だと切り抜かれる範囲に情報が少なすぎると感じたため、縦構図にて石畳や山門の額、屋根を入れることにしました

ちなみに上記写真とほぼ同じ立ち位置で iPhone13の広角カメラ(26mm相当)で撮影するとこんな感じです

それもそのはず。85mmで撮影できる範囲の目安って身体で表すと……

  1. 両手の親指と人差し指でフレームを作る(カメラのジェスチャー)
  2. 腕をめいいっぱいに伸ばす
  3. 手順1で作ったフレームを片目でのぞく

これで囲める範囲くらいなんですよね。

肉眼で見ると狭く感じますが、ファインダーをのぞくと広く見えてくる絶妙な距離感だと思います(※ 写真自体は35mm相当の画角で撮影)

ちなみに僕が好きな50mmのレンズで写せる範囲というのは、腕をめいいっぱい伸ばしたところから肘を90度くらいに曲げて上記ジェスチャーを構えたくらいになります。だいぶ違いますね。

あ、これは言うまでもなく僕の腕の寸法なので、ぜひ実際にご自身の腕と撮影した写真を見比べて画角の目安を調べてみてください。一度、覚えておくと片手でも指の長さで測れるんで意外と有用ですよ。

撮影意図を明確にしたい

撮影意図をはっきりさせて構える必要がありそうです

中望遠とされる85mmという画角で撮影すると、主役となる被写体と周囲の環境(≒ 背景)といった関係性が明確になると感じてます。

言い換えれば「何を撮りたいのか」や「このシーンの主役は誰(何)か?」ということを撮影時に意識しないと、ただ寄っただけの微妙なカットになりがちです。

そのくせ最短撮影距離は短くないので、主役とする被写体でも「どの部分をメインに据えて、どの部分をカットするか?」みたいな取捨選択が必要となりそうです。

カッパの像が主たる被写体ですが足元の野菜も入るように下がったら被写体が小さくて少し左右に余白が生じました。なので三分割構図を意識しつつ中心からずらして右側の空間には前ボケとして葉を入れよう、周囲の雰囲気も取り込めるし。でもカッパの視線の先が詰まるのは嫌だから移動はほどどに。そんで閲覧者の視線を誘導するために絞りは開放まで開いてボケ量を大きくして……いや、いっそのこと近づいて見下ろすような構図にするか?とか考えて撮りました

縛りプレイを楽しみたい

遠景を撮ると前ボケと背景の圧縮効果で被写体を引き立たせてくれます

まだまだ85mm単焦点レンズを完全に使いこなせていないですけど、バチっと決まったときには訴えかけてくるような写真が撮れるというが85mmの魅力です。

そして標準域とされる35mmや50mmとは違って圧縮効果を感じられますので背景にも圧力が生じてくるわけです。するとメインの被写体ほどでなくても、周辺環境も何かを訴え始めます。

なんで写真の中心となる被写体の写し方を考えながら背景の取捨選択も同時並行で行う必要が出てきてしまうわけで……。

そんなレンズをつけたカメラを低く構えてみたり数センチ刻みで上半身を傾けて微妙な写り込みを整理しつつ、絞りリングでボケ具合を調整しながら会心の一枚が撮れると「うぅ、縛りプレイじゃんか!楽しいぃ!!」ってなるわけです。脳内麻薬どばばーって感じです。標準ズームレンズだと味わえない快楽に溺れちゃうってわけ。

先ほど「旅行やお出かけ時では活躍の機会が限られる」なんて書きましたけど、こういう制約の多い単焦点レンズなら一味違った光景を切り抜けるかもしれません。

今度、出かけるときも持っていこ〜♪

それじゃあ、また。

作例写真
撮 影:2024年9月 in 宮城県仙台市 and 岩手県遠野市
カメラ:SONY α7R IV and SONY α7C II
レンズ:SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art