6MTのトヨタ ヤリス。本当はもっと乗り倒すつもりでしたが、僕の身体が耐えられませんでした。
6MTの操作
存在感が薄いのか意外とネット上にも6MTのヤリスのレビューって少ないんです。
せっかくなので僕が2年半ほど乗ったMTに関する感想を書き留めておきます。
iMTは非搭載
まず「iMT」が非搭載です。
「iMT」というのは変速時にエンジン回転数をクルマ側で自動的に調整してくれる機能。GRヤリスには搭載されていますし、そのほかCH-R(GRスポーツ)、カローラスポーツ(1.2L)などトヨタのラインナップでMT仕様が設定された最近のクルマにはおおく搭載されていました。
でも、このフツーのヤリスにはiMTは付いてません。だから坂道で減速するときにはダブルクラッチです。自分で回転数を合わせるしかありません。
ちなみにこのクルマでダブルクラッチをしようとすると、アクセルをかなりしっかりと踏み込む必要があります。
燃費性能を考えているのか、それとも踏み間違え防止なのか、ともかくアクセルを踏んでも最初のほうが無視されちゃうんですよね。
これに関しては別にブレーキで減速してからギアを変えればなんとかなります。ただ、できるに越したことはないので必死に練習しました。
シフトインジゲーターも非搭載
あとメーター内にはAT車ではドライブレンジを表示する液晶がありますが、MT車では何も表示されません。要はシフトインジゲーターも非搭載です。
だから「あれ?今、何速だ?」なんてド忘れしたときは、そっとシフトレバーを触って、その位置で判定しないといけません。
慣れればどうってことありませんし、出てる速度も加味して冷静に推理すれば3速と5速を混同するってこともありませんけど。
クラッチの操作感は……?
クラッチペダルの操作感というか、踏んだ際の感覚というのは2年半ずっとしっくりこないところでした。
クラッチを切るために踏み込んでいくと、フルブレーキよりも奥深い位置でやっとペダルが止まります。
その一方、半クラが始まる位置はかなり高く、クラッチをつなげようとするたびに曲げた膝がハンドルに当たりそうになります。
何が言いたいかというと、クラッチペダルが求めてくる操作範囲が非常に広いんです。思いっきり足を伸ばして踏み込んでクラッチを切り、繋げるためには体育座りくらい膝を曲げないといけない。
……ちょっと大袈裟な書き方かもしれませんが、そんな感じなんです。
僕がMT車に乗ったのは15年以上前の教習車以来ですので、これが普通なのか判断できません。ただこの大きな左足の動きで膝が痛みだし、結果的に短期間でヤリスを手放すことになりました。
走っていて楽しいクルマ
肝心のギア操作でダメ出しみたいになっちゃいましたが、軽量コンパクトなボディーに1.5Lの3気筒エンジンを搭載したヤリスはクラッチを繋げばグン!と加速します。その感覚は愉快爽快。
ヤリスシリーズでスポーツ志向といえばGRヤリスがいるので存在感が薄めなのですが、一般人が一般道で乗る分には充分すぎるほどホットハッチ感を味わえました。
先に書いたとおり、iMTもシフトインジゲーターも非搭載。だからこそダブルクラッチがキマって、スッとギアが入ったときの快感とかがたまらなく気持ちいいんです。
全長4m未満で車重990kgの小さな車体の隅々まで己の身体の一部のように掌握し、制御下において運転する。これぞ「Fun to Drive」。
モリゾー氏が言ってるのはこういうことなんでしょ?しらねーけど。
手放す理由
- Q:こんなに楽しいクルマを手放すのはナゼ?
- A:何度も書いてるだろ?左膝がイテーからだよ!!
……こうやって書き残しておかないと、時間が経ったら忘れてマニュアル車をまた買っちゃいそうですからね(笑)。
そんくらいマニュアルの運転って楽しいんです。コロナ禍で暇してひっさびさに『グランツーリスモ』を遊び出して、現実世界でもクラッチを踏んでギアをガチャガチャしたくなって、思い切って買ってみたら本当に楽しくって……。
あ〜、もっと乗りたかったなぁ。
でも所有した2年半はコロナ禍で遠出ができない時期が大半でしたが2.2万キロも乗れました。この前のクルマ、スバル インプレッサは4年半で2.8万キロだったので、倍近いペースで乗り回しましたね。
振り返ってみればドカ雪の東北道を通って群馬でサファリパークに行ったし、北海道へフェリーで渡ったし、本州最北端の大間崎までドライブしたし、道の駅スタンプラリーで1日2〜300kmを走る行程を何度もこなしました。
もちろん他にもたくさん出かけました。
……かなり遊びましたね(笑)。
ほんとヤリスにはたくさん遊ばせてもらって、めちゃくちゃ楽しませてもらえました。ありがとうね。
きっといつか恋しくなって、またクラッチを踏み込んで、グッとギアを1速に入れたくなる日が来ます。だって、もう次のクルマのハンコを押したのに、やっぱりキャンセルして乗り続けたいとどこかで思ってるんですもん。
それじゃあ、また。