山崎 貴 監督の『ジュブナイル』の4Kリマスター版を劇場で観てきました。
2000年の夏休み映画として公開された本作、僕の思い出に深く突き刺さっている作品なんですよね。
そんな大切な映画が1週間限定とはいえ、4Kリマスターで映画館で観れらるんですもの。いかなる予定にも優先してチケットを取りました。
ストーリーはタイムトラベル、ロボット、宇宙人の侵略そして初恋……と王道のSFエンタメを詰め込んだような展開で、房総半島の小さな漁村を舞台にした小学生4人組の特別なひと夏の冒険劇です。
たぶん僕は当時も劇場で観たし、小説版を持っていて何度も読み返しました。DVDは持ってなかったから、映画として観たのはたぶん2000年以来、24年ぶり。でも、場面ごとの台詞までちゃんと覚えてました。
あと山下達郎のテーマ曲もいいんですよね。ザ・青春!という感じで、少しノスタルジックでポップな曲調が作品とあってて好きなんです。
2000年といえば僕は小学4年生。そして2回目の転校をして千葉県の木更津を離れた頃。
人間関係や周辺の環境がガラッと変わったんですよね。友達もゼロから作り直しだし、新しい学校は自宅から遠かったし。
なんで夏休みに一緒に幼馴染と連日遊んで、小さな出来事が事件や冒険になって……みたいなことに憧れてたんだろうなぁ。
しかも主人公が暮らすのは千葉県ということもあって、ある意味で“理想の夏休み”として映っただろうし、きっと10歳の僕はスクリーンの中に入りたかったんだろうなぁ。
ただ24年前には想像できなかったのは、34歳になった自分が「勉強して……テトラを直してやるよ!」という主人公、祐介の台詞で泣いたことですね。
そうだなぁ、24年前の僕にはいろんな可能性があって、たくさんの時間があったんだよなぁ。
はぁ、今の僕は10歳の僕がなりたかったオトナになれてるんでしょうか?
……あぁ、そういう方向性で考えるのはやめましょう。
ただ未来の58歳の僕が34歳の今を振り返って同じような後悔に近い念を抱かないような人生を送れるようにしよう。ここからが本当の戦いの始まりだ、F・I・Dだな!
さて、この『ジュブナイル』という作品はソフト化も公開後に一度だけしかされてませんし、サブスクでも配信されていません。
あと山崎監督が自ら書いた小説版には映画では描ききれない細部の描写や背景の説明があって、ラストの2020年のシーンで色々な伏線が回収されていくのが面白くてねぇ。なおこっちも絶版になってるから入手困難になってます。
あぁ、僕の青春をリプレイしたいので、どうか映画のサブスクの解禁と小説版の復刊をお願いしたいものです。ほら、アカデミー賞受賞監督のデビュー作品という箔も付いたことですし。
そしてWikipediaの記事を読んでたら、2020年には当時子役のキャストで未来シーンを撮り直して「完全版」とする企画もあったんですってね。新型コロナでうまくいかなかったみたいですけど、まだ遅くないですから、やってほしいなぁ!
それじゃあ、また。
P.S. 今週の金曜日からの『リターナー』の復刻上映も行きます。こっちも大好きな作品です。