雪がしんしんと降る山間を縫うようにしてハンドルを握り締めます。
スマホは電波が通じずにただのガラス板と化し、FM放送も入らなくなり、路面に薄く積もった雪をタイヤがかき分けるシャーッという音が聞こえるだけ。
もう最後に対向車とすれ違ったのは十何分前でしょうか?ルームミラーにも後続車は写らず、しばらくの間、ただ自分だけ走っています。
そんな道中でふと開けた場所に集落が広がっていて人影が見えるとちょっと安心するんです、「まだ人間の縄張りにいるんだな」なんて。
でもこの気持ちの緩急が僕がわざわざ快適な自宅を抜け出して何時間も運転する苦行のような旅行を好む理由のひとつなのです。
それじゃあ、また。
撮 影:2024年12月 in 福島県南会津町
カメラ:SONY α7C II
レンズ:SONY FE 20-70mm F4 G