宮城県で暮らしはじめてからずっと乗りたかった鉄道路線でひさしぶりの鉄旅を満喫してきました。
BRTに乗ってみよう
それがJR気仙沼線BRT。BRTとは「バス・ラピッド・トランジット(Bus Rapid Transit)」の略称で、日本語訳すると「バス高速輸送システム」となります。
簡単に説明すれば専用軌道を走行する路線バス。交通渋滞などに左右されず、鉄道のように効率的かつ定時運行で旅客を運送できるのが強みです。
そしてJR気仙沼線とJR大船渡線では2011年の東日本大震災で被災した区間の線路を転用してBRTが運行されています。
この鉄旅では仙台駅から気仙沼駅を目指します。
ルートはJRの東北本線、石巻線に続き、まだ鉄道として運行されている気仙沼線、そしてBRT化された気仙沼線の4区間を乗り継いでいきます。
仙台駅から在来線を乗り継ぐ
仙台駅から東北本線に乗って向かったのは小牛田駅。
ここからは石巻方面へ向けて石巻線が走っており、その途中駅の前谷地駅から気仙沼線が分岐します。
しかし、この日は小牛田駅にて気仙沼線鉄道区間の終点である柳津行きの電車に乗り換えることができました。
この気仙沼線へ直通する列車は1日に3本ほどしか運行されていないレアなもの。珍しいものに乗れてなんだかラッキーな気分です。
いよいよBRTに乗車
柳津駅でキハ110を降りていよいよ今回の鉄旅の目的であるBRT区間へ踏み出します。
同じ駅構内の停留所で待つこと約15分。真っ赤なバスがやってきました。
とはいえ今回のルートではBRTに乗車してからが長く、往路は1時間48分、そして帰路は柳津駅ではなく前谷地駅まで乗るので2時間20分ずっと同じバスに揺られることとなりました。
ただ海側の座席に座れば三陸海岸の綺麗な景色を楽しみながら時間を過ごすことができます。
気仙沼でちょっと遊ぶ
気仙沼駅に到着したのは13時23分。しかし帰りの便は14時40分に出発するので、気仙沼での滞在時間は1時間17分しかありませんでした。
そして気仙沼の観光拠点は駅から2キロほど離れている漁港や魚市場付近のベイエリアに集中しています。
もし歩いたら片道30分、往復すれば1時間かかるとして……これは歩いていては時間が足らないと判断し、駅前にある観光協会でレンタサイクルを利用しました。
自転車を漕いで移動しましたが、さすが土曜日のお昼時ともなればベイエリアの飲食店はどこも並んでいました。
なので今回の限られた時間ではゆっくりランチを食べるほどの余裕はなく、移動しながら写真を撮るだけで駅に戻らないといけませんでした。
乗車そのものが旅の目的だったので問題ないのですが、到着先での行動や時間に制約が生まれがちなのが鉄道旅の悩ましいところだとあらためて実感しました。
さて、帰ろう
自転車を返却し、駅構内のコンビニでおにぎりとお土産を買ったら出発時刻が近づいてきました。
14時40分発の前谷地行きBRTに始発の気仙沼駅から乗り込んだのは僕だけ。
到着時に見かけたPOKÉMON with YOU トレインはまだホームに停車しており、ピカチュウが描かれた車両を横目に仙台を目指す4時間の旅路につきました。
この日は乗車中には意識してスマホを取り出さずに車窓の景色を眺めるようにしていました。
正直に書くと退屈に感じるときもありました。でも、たぶん令和の時代に生きる僕たちにとって「暇だなぁ〜」なんてぼんやり過ごす時間が必要なんだと感じる今日この頃。
移動時間は往復で7時間半に対し、現地での滞在時間が1時間17分とアンバランスな時間配分の旅でしたが、とても贅沢な1日を過ごせたと思います。
たまにはこういう古風な旅もいいもんですね。
それじゃあ、また。
撮 影:2025年5月 in 宮城県
カメラ:Nikon Zfc, Apple iPhone13
レンズ:Nikon NIKKOR Z 28mm f/2.8