
ぶっちゃけると5月最終週に出場したSSTRは当日よりも事前準備のほうが大変でした。
でもゴール後の感動は忘れ難いもので、また出場するかもしれません。
なので備忘録として諸々の支度を記事にまとめておこうと思います。
エントリー

2026年のエントリー開始は2月22日(日)午前6時38分から。
事前に申し込みサイトでアカウントを作成し、支払い用のクレカを紐付けて、必要事項の下書きをして……とボタンをポチるだけの状態にしておきました。
あとは運です。
エントリー開始直後、僕はすんなりとアクセスできてエントリーできてラッキーでした。でも決済でトラブルが生じたり重複エントリーになった人も多数出たようでした。

バイクまわり

今回の参戦車両はホンダ スーパーカブ110プロ(JA61)です。
荷物を積んで走るのは得意。でも14インチの小径タイヤにハードなサスペンションなので長距離ツーリングにはどこまで耐えられるのか不安になります。
とはいえ悩んでも仕方ないので3泊4日の荷物を積んで長距離を走ることを見据えて装備をいくつか整えました。

集配用大型キャリーボックス(旭精器製作所)

もっとも金額が高かったパーツがこれ。税込で4.5万円ほど。もはやパニアケースをフルセットで買ったと思うしかありませんね。
かつて郵便局で使われていた赤い箱*1の民生品ですので非常に頑丈な作りをしています。
特筆すべきは容量です。箱の高さが三段階で変わる機構を搭載して100L〜160Lも入ります。
この箱ひとつでアドベンチャーバイク用のフルパニアを超える収容力があると考えたら、ステー不要で簡単に取り付けられるし、いいお買い物だったかも?
ウィンドスクリーン(旭風防)

ずっと走っていると溜まってくる疲労を少しでも軽減するため、ウィンドスクリーンを取り付けました。
視界にスクリーンが入るのがなんとなく嫌だったのでショートタイプを選択しました。
ただ実車に取り付けるとミラーの位置が左右で均等でないためステーの角度はどうしても左右でバラバラになります。
とりあえず真正面から見て真っ直ぐな位置でスクリーンを固定しています。

スマホホルダー(Kaedear)
知らない道を数百キロも走るのにナビ利用は不可欠でした。
購入したのはカエルディア製のホルダーです。しっかりとしたロック機構を備えつつ、エアマウントが組み込まれたものでした。
お値段も4,000円程度とお手頃価格だったので助かりますね。
スライドロック Airマウント搭載 KDR-M28www.kaedear.com
ハンドルフック(ダイソー)
手元にペットボトルなどを置いとくと信号待ち時にサッと喉を潤すことができます。
当初は小さなカバンをかけることを考えましたが、降雨時などを考えたらゴミ袋を兼ねてそのままぽいと捨てられた方が楽だと判断。
そこでダイソーのベビー用品にあったベビーカー用のフックをハンドルバーに取り付けることに。
小サイズのレジ袋にペットボトル1本を入れてぶら下げた程度ではハンドリングに問題は感じませんでした。
出発前の点検

当たり前のことですが、タイヤ、チェーン、オイルなどなど長距離ツーリング前には必ずチェックした方がいい項目は自宅を出る前に確認しておきました。
ライダーまわり

長距離への順応
SSTRへエントリーしたのは2月下旬。当時、カブプロでのツーリングは日帰りで100km程度が限界でした。
しかし当日に向けて長距離をサクッと走破できるくらいの習熟が必要だと判断し、3月以降は意識して遠出をするようになりました。
26年3月以降のツーリング
これらのロングツーリングでは体力消耗の感覚を得られたほか、市街地から郊外にかけての走行ペースを測ることもできたので、その後のコース検討時におおいに役立つ経験でした。

そして最後に5月の連休明けに岡山市からスタート地点候補の西宮までの弾丸往復ツーリングを実施。
ちょうど片道160kmほどの距離感なので当日を想定した練習にちょうど良かったのです。
また実際に走っていると途中でゲリラ豪雨にも遭遇し、計らずしもハードコンディションで走る経験も積めました。

ルート検討

準備でもっとも大切な部分はルートの検討。
日没時間を気にしつつチェックポイントに立ち寄る必要がありますので、下道オンリーで途中からの挽回が難しい原付勢はなおさら慎重にルートを事前に決めておく必要がありました。
そして事前の長距離ツーリングの経験からSSTR当日の走行ルートは以下のような条件で検討しました。
- 走行距離は300km〜350kmを上限とする
- スタート地点は岡山から離れすぎない
- 主要な街道を走行できるようにする
走行距離
市街地や幹線道路など環境はいろいろありますが、だいたいカブプロの平均的な走行ペースは30km/hほどと判明しました。
そしてSSTR当日の競技時間はおおよそ4時50分〜19時00分の約14時間となります。
途中での休憩等の余裕を持たせて走行時間を10時間〜12時間ほどに収めようとすると、自分の場合は300km〜350kmが“射程”ということになりました。
スタート地点

SSTR当日の走行距離がはじき出せましたが、僕が住んでいる岡山県の東端からでも千里浜ドライブウェイまでは原付用のルートだと450kmほど。
単純計算で平均30km/hで移動したとしても15時間かかって時間オーバーとなるため、前泊で予め移動しなくてはいけません。
ということで千里浜ドライブウェイから300km〜350kmの距離にある兵庫県神戸市〜大阪府大阪市のあたりで出発地点の候補を探し、次の2ヶ所に絞り込みました。
- 新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)
- 天保山(大阪府大阪市)

その後、現地に足を運ぶなどして、
- 国道171号線の起点が近く、大都市圏を避けながら京都市内を目指せる
- 堀江謙一氏が〈リトルマーメイド号〉に乗って太平洋横断した際の出発港
という理由から新西宮ヨットハーバーを出発地点としました。
余談:最短距離のスタート地点
太平洋側から千里浜なぎさドライブウェイを目指す際、おそらく最短距離となるスタート地点は三重県桑名市や愛知県弥富市の木曽川の河口付近だと思われます。

ツーリングサポーターで調べると桑名市 → 千里浜の移動は270kmほどの道のりになりそうです。
しかし岡山からだと桑名市まで330km以上あり、前日のリエゾン区間のほうがSSTR当日よりも長くなるという事態に。
西宮出発と比較しても当日のルートを約60kmを短縮するために前日の移動が160kmも増えるのは非合理的なので候補から外しました(笑)。
コース概要

スタート地点を決めたあとルートの具体化を進めた結果、以下のような道のりが最終的に採用されました。
- 西宮をスタート → 国道171号線を北上して京都へ
- 京都市内は渋滞状況を見ながら抜ける
- 国道367号線(鯖街道)で北上
- 琵琶湖北部で161号線に合流して敦賀を目指す
- 敦賀から金沢までは国道8号線を利用
- 千里浜までは一般道を抜けていく
ここで気にかけたのはスタート〜京都までの区間です。
なぜなら大都市圏が続くうえ朝の通勤ラッシュにかかる可能性があり、この最初の70kmでベタベタに渋滞にハマるとその後の区間を相当頑張らないといけなくなるため。
いろいろと考えて大阪市街地のど真ん中を抜ける国道1号線は避けて国道171号線を通るようにしました。

また琵琶湖の西岸を走る国道161号線は整備されて走りやすそうでしたが、自動車専用道の区間があるため回避することに。
結果的に山の中を抜ける国道367号線を主に使ってマキノまで抜けることになります。

正直、敦賀まで出てくると国道8号線を延々と北上する以外の選択肢はありません。
最後の区間、金沢以北が少し難しくなって「のと里山海道」が無料の自動車専用道であるがためにナビアプリがそのままでは使えません。
中継地点などを設定しつつ、ひたすら沿岸のバイパス道を避けながら下道を進むことになります。

余談:ツーリングサポーターの利用
原付だと自動車専用道が使えません。でも「自動車専用道」は必ずしも高速道路とは限らず、無料のバイパス区間も除外する必要があります。
そのためGoogleマップやYahoo!カーナビなどの一般的なナビアプリで「一般道優先」で案内させても原付が走れないバイパスに通されるような事態が多々発生します。
そこでナビタイム社が運営する「ツーリングサポーター」というバイク向けのサービスを使うことに。
これならば排気量別にルートを考えてくれるので、原付二種でも安心して走行できるというわけです。
しかし、実際にツーリングサポーターを使ったかというと微妙でした。
というかSSTR当日はYahoo!カーナビがメインとなりました。
その理由としては、
1. 遠回りなルートを通す
そのまま検索すると西宮から京都八瀬までは途中で171号線を離れて北上し、国道423号線で山越えして亀岡市に出るルートを何故か積極的に案内してきました。
この道のりだと相当な遠回りになるほか、京都に入る9号線で確実に渋滞に巻き込まれてしまいます。
2. バイパス区間が少なかった
琵琶湖の西岸を通る国道161号線は一部区間が自動車専用道なので原付は迂回する必要がありました。
しかし国道367号線を使う場合にはそういった区間はありません。石川県内の金沢以北では気をつけないといけませんが、そのあたりも中継地点を設定することで一般的なカーナビアプリでも何とかなりました。
3. バッテリー消費が激しすぎる
体感的なバッテリーの消費量は「ツーリングサポーター>>Yahoo!カーナビ=Googleマップ=moviLink」という感じです。
ちゃんと測っていませんがツーリングサポーターはYahoo!カーナビ等の2倍かそれ以上のペースでスマホのバッテリーを消費していました。
USB給電口を設置していないバイクで丸一日走ることを考えると、この消費量だと使えませんでした。
天気の悩み

2026年はゴールデンウィーク以降は夏日となり、連日、晴天で気温も30度近くなるような気候でした。
なのにSSTR開催日程の5月23日(土)〜30日(土)の期間になると急に全国的に梅雨の走りの様相を呈します。
10日予報を1日に何度も確認してますが、いつ見ても傘マークが並ぶばかりでどうもスッキリしません。
幸い今回は出走日を25日(月)から27日(木)の4日間から選べるオープン制の参加だったのでギリギリまで迷うことに……。

最終的には25日(月)から3日間が晴れそうな予報が出たので、月曜日に出走としてその前後でリエゾンする日程となりました。
これを決めたのは21日(木)の夜。最後まで粘って悩んだ結果、直前には焦って準備を整える羽目になりました。

このように直前まで天気予報を見ながら出走日を調整できるのはオープン制のいいところですね。
次回も可能ならばオープン制でのエントリーをするつもりです。
ふりかえり
準備が7割

SSTRを完走した感想は事前準備が7割、残りの3割のうち2割は体力、最後の1割は運です。
ガチ勢じゃなくても、原付二種でもSSTR完走は不可能ではない、ちゃんと準備さえすればという感じ。
ただ1日中夜明けから夕方までバイクに乗りっぱなし、途中での休憩もベンチに腰掛ける程度だったので楽々な道のりではないと思います。
バイクや装備品のみならず、長時間走り続ける人間側の練習も含めて準備が必要だと実感しました。
ネット上の話に流されない

SNSやYouTubeの話は盛られていると思って捉える必要があります。
とりわけネット上では「距離ガバ」というのがステータス化して持て囃されるように見受けられます。
そのため「原付二種なら1日500kmは余裕」とか「SSTRは0泊2日で弾丸日帰りできる」とか書き込みや動画がそこらじゅうにあがってます。
でも、もし同じような計画を実行するならば予行演習などを通じて自分にも同様のツーリングができるか事前に把握しないといけません。

今回、僕は3泊4日で合計950kmを走ったものの(そのうち最初の3日間で920kmほどを走行)、この距離と所要時間は今の自分にとっては限界に近いラインでした。
なので次にSSTRに出る機会があれば何かしらの対策を講じる必要があると思っています。
SSTRのいいところ

ステッカー貼付車どうしの一体感&お祭り感。以上。
そういう雰囲気を求めていないソロ専のライダーはご自身のご都合がよろしいタイミングで能登ツーリングをしたほうがいいと思うんですよね。たぶんその方がコスパも満足感も高いです。
一方、SSTRを好んで参加している人は距離を稼ぎたいとか能登に行きたいというよりも、お祭りに参加したいというのがモチベーションになっているはずです。
来年以降に向けてQ&A

A: もちろん!走り切った先、千里浜での光景は何にも変え難いものでした。また今年の経験を踏まえて、よりよい体験ができるはずですし。
A: ……。
A: ノーコメントでお願いします。
A: ……。
A: (無言のまま会見場から立ち去る)
真面目な話をすると岡山在住の人間としては初回ながら原付二種でSSTRを攻略するには最適解に近いルートを走ったと考えています。
なので次回以降も110ccのカブプロで参加すると似たようなルートを走る羽目になって、ちょっとそれはつまんないなぁと思ってる次第です。
もしいい案が思いついたら計画に落とし込んでいきたいですね。
それじゃあ、また。
SSTR当日の模様はこちら↓
*1:現在は三角のフタの箱に変わっているらしい