大将がゆく

写真を撮ったり、イラストを描いたり……日本一周の旅をした主夫の日記帳

宮沢賢治と大地の力|旧東北採石工場&幽玄洞(岩手県一関市)

「みちのくあじさい園」で日本一の紫陽花を楽しんだ日の午後は幽玄洞などを巡りました。

石と賢治のミュージアム

まず訪れたのは、あじさい園から自動車で約10分の距離にある「石と賢治のミュージアム」。

JR大船渡線の陸中松川駅に隣接する位置にある小さな展示施設でしたが、ここは宮沢賢治が勤めた東北砕石工場の跡地とのこと。

ここでの経験や病との戦いが『グスコーブドリの伝記』や『雨ニモマケズ』といった作品の形で僕たちに伝わっていると思うと、急に100年も前に生きた人物が身近に感じられてくるので不思議なものです。

国登録有形文化財にも指定されている旧東北砕石工場の建屋が残されています

建屋からは数kmにおよぶ坑道が伸びており、奥からは冷たい空気が伝わってきました

工場が閉鎖される1978(昭和53)年まで使われていた機械や設備がそのまま残されています

「雨ニモマケズ」の直筆原稿(レプリカ)。病気と闘いながら勤務する日々の中で生まれた言葉だそうです

世界中から集められた珍しい鉱石や宝石が飾られていました

幽玄洞

石と賢治のミュージアム内で観たVTRで紹介されていた鍾乳洞に興味を持ち、その足でやってきたのが「幽玄洞」。

約3億5千万年前の地層や露出した化石を間近でみられるスポットだそうです。

券売所を兼ねた売店を過ぎると、急に森の中にあらわれる小屋が鍾乳洞の入り口です

閉所恐怖症を発症しそうな空間。急な階段がずっと続きます

最深部にある深さ10mの地底湖。落ちたら……僕が化石になるんだろうな

洞窟内は複雑に入り組んでおり、見学ルートがなければ簡単に遭難しそうです

せまいぞ。閉じ込められそう?こわいこわい。

大人ひとりがやっと通れるような隙間を進んでいきますが、全体的な閉塞感やじめじめとした雰囲気が探検気分……否、「出られなくなったらどうしよう?」という恐怖をあおります。

幽玄洞を出てくると目の前には唐梅舘山の巨大な一枚岩がそびえたっており、ここでも大地のパワーを実感しました。

唐梅舘山は観音霊山として信仰の対象になっている山だそうです

駐車場の近くで立派なヤマユリが咲いていました


実のところ、この日の午後はノープランの行き当たりばったりの行動でしたが、予想だにしない発見があって楽しかったです。

なんでもインターネットで調べられる時代ですが、予備知識なしで飛び込むかたちの旅行も楽しいですね。

またどこかお出かけしたいなあ。

それじゃあ、また。

カメラ:FUJIFILM X100V