2年半前に宣言したとおり『デューン 砂の惑星 PART2』をIMAXで観てきました。
(※ 本記事内で核心に迫るネタバレはしてないつもりです。)
IMAXが近くにある幸せ
これはIMAXで観るべき映画です。スマホやパソコンの小さな画面じゃダメだ。
後編も必ずIMAXで観ることにします。それまでに小説も手を出してみようかな?
前編を観たときには感想をこのように締めくくっていました。結局、小説版は手に取ることもせず後編になってしまいましたけど。
それにしても砂漠の惑星を表現する大胆でダイナミックな映像美は圧巻でした。もちろん普通のスクリーンでも素晴らしいのでしょうけど、せっかくならデカくて良い設備で観たいじゃないですか。
そんな欲望に応えてくれる東北6県で唯一のIMAX劇場が生活圏内にあるって本当に幸せだったと思います。
PART2は“獲得”の物語
前編では主人公ポールの“喪失”の物語でした。慣れ親しんだ惑星(領地)、信頼する家臣、愛する父親、地位、名誉……すべてを権力者によって奪われ、砂漠に捨てられるという悲劇。
それに対してPART2は仲間や信頼、恋人、そして逆襲を“獲得”していく展開。ポールが奪われたものを自ら取り返し、前編で漂っていた悲壮感を一気に吹き飛ばすようなストーリーでした。
やっぱり父親と家臣の仇である白いハゲと白いハゲがアレして、アレされると観客としてもカタルシスに近い感情に浸れるわけです。だってアイツら前編でやりたい放題だったからな。こちとら僕はポールと一緒に2年半も耐えてきたもんね。
いや、でも最後にはちょっとモヤモヤが残ったんですよね。主人公ポール君にはピュアなまま人間愛に生きて欲しかった。そんな小さな願いが自分の胸の中にあったことに昼飯のハンバーガーを頬張りながら気付いたりしたわけです。
事前に前作の復習を推奨
あと気分を高めようと前夜に自宅でアマプラで第1作を観ていたのが正解でした。
後編とはいえイントロもあらすじも説明もなく、いきなり前編終了から数時間後のシーンから始まりました。最初、時系列というか前編からどれだけ時間が空いたのかを考えてしまいました。
そう考えると、オープニングであらすじが文字情報として流れてくる『スターウォーズ』シリーズって親切だったんだなぁ、と感心した次第です。
映画館はいいぞ
総評すると劇場で観るという体験にふさわしい作品でした。
ただストーリーの展開が乏しく感じることも事実。
でも原作の小説が発表されたのは1965年ですからね。映像には最新のCG技術が使われていますが、60年前の物語が下地なんです。開始3秒以内に視聴者を掴んで、2秒ごとに場面を切り替えて……という超速コンテンツが当たり前となった令和のテンポ感に慣れてしまうとそりゃあ退屈でしょう。
だからこそ「劇場で観るという体験にふさわしい作品」としたいのです。2,000円を払って、スマホの電源を切って、ふかふかの椅子にドカッと座って、視界いっぱいに広がるスクリーンで、轟く音圧を腹で感じながら、ポップコーンをコーラで流し込みつつゆったりと作品を観る――。
この映画館で過ごせる“ゆったり”という時間が刺激的な情報が秒速で手元に届く今の時代のオアシスのように感じてしまうのです。
それじゃあ、また。