「バイクの旅」と聞くと、”爽快感”や”開放感”といった明るいイメージを抱く人が多いと思います。
でも、同時に「バイク」という単語だけで”危険”を連想する人も相当数いるはずです。
実は私も「危険」を連想する人間の一人です。
少し前までは『バイクなんて普通の思考をしていたら乗るものじゃない』とまで考えていました。
それでも”爽快感”や”開放感”に憧れてバイク免許を取得したいと思いましたし、良い点も悪い点も家族に説明してきたつもりです。
今回はバイク事故の実態を探ってみようかと思います。
バイク事故による死者数
上記のグラフは警察庁が平成27年(2015年)分として発表した過去10年間の状態別死者数の推移です。
つまり、交通事故による死亡者がどのような状況で生じてしまったのか、というグラフです。
この中で「自動二輪車乗車中」に着目すると、ここ数年は450名前後で横ばいになっていることが分かります。
交通事故による死者数のうち「自動二輪車乗車中」の構成比は10.9%なので、思ったより少ないですね。
しかし、次のグラフを見てみると、決して安全な乗り物ではないことが分かります。
これは先ほどの状態別死者数を年齢別に分けたうえで、死亡時の状態構成を表したグラフ。
俯瞰してみると、15歳〜49歳までの間で、二輪自動車乗車時は自動車と優るとも劣らない数値になります。
よく考えていただきたいのはここから。
2014年のデータで四輪車の保有台数は約7,719万台に対して、二輪車は約1,169万台。
保有台数に約6.6倍の差があるのに、死亡状況は同じような構成になっているのです。
つまり、単純に本当に単純に考えると、二輪車は自動車の6.6倍死にやすいということです。
二輪車事故の類型
こちらのグラフは(公財)交通事故総合分析センターが公表しているイタルダインフォメーション No,91からの抜粋。
二輪車の事故は出合い頭と右直事故が非常に多いことが分かります。
また、同レポート内で示された数字によると、二輪自動車が事故に関った場合、第二当事者(被害者)になる割合が約7割に達するとのこと。
加えて、二輪自動車が第二当事者となる事故の相手は9割以上が四輪自動車になるらしです。
要するに二輪車は交差点で自動車相手に交通事故被害者になる確率が高いということになります。
昼夜では状況も変わります。
このグラフを見ればわかるように、昼間は出会い頭事故が多いのに対し、夜間は右直事故が増えてくるのです。
では、どうしたら事故から身を守れるのでしょうか?
事故から身を守るために
事故被害者になることが多い二輪車を操る身として、どのようにすれば自分の身を守れるのでしょうか?
(公財)交通事故総合分析センターは「防衛運転」と名付けていますが、
- 常に「自分は見落とされている」と念頭に置いた運転を心がける
- 反射材や蛍光色の着用やヘッドライトの常時点灯をして周囲の景色から「目立つ」
- フルフェイスのヘルメットや胸部プロテクターの着用で、万が一に備えて「防御力を高める」
正直、考えてみましたが、このくらいしか思い浮かびません。
何よりも楽しいツーリングは「笑顔で家に帰ること」がゴールだと思います。
だからこそ、自分の身は自分で守る強い意識を持って二輪車と向き合いたいものです。